経営企画 AI活用 ・ 提言3 ・ 見張り台帳

作品の権利、生き返る瞬間を見張る台帳。

まだ手をつけていない作品×事業の組み合わせのうち、「できなかった枠が急にできるようになる瞬間」だけを見張り、決裁会議の固定議題に自動で載せる。空白を並べて見せる装置ではない。死んでいた枠が生き返る、その一点だけを捕まえる。

2026-07-04 ・ 内容は提言の要約 ・ 金額や成果は断定しない ・ 社名は伏せて「自社」と記す
ひと言でいうと 静止した空白ではなく、状態が変わる瞬間を見張る 生き返った枠を、決裁会議の議題へ自動で載せる
要件定義
このAIは、何者か
動くデモの前に、狙い・解決するペイン・何をするAIか・ユニークさ・世界初はどこか・自社にどうFITするかを先に定義する。これは役員の固定議題化の文書確約が揃った場合のみ動く"条件付き"の提言でもある。
多事業(ゲーム・映画・音楽・半導体・金融ほか)で手つかずの作品×事業の組み合わせのうち、"できなかった枠が急にできるようになる瞬間"を見張り、決裁会議の固定議題に自動で載せるAI。
狙い
事業をまたいだ相乗効果を「気づき」でなく「仕組み」で起こす。手つかず=暗黙の見送りを、理由付きの見送りか検討開始のどちらかに必ず転換する。
解決するペイン
作品の権利×事業の組み合わせは大半が既知の理由(権利・余力)で死んでいる。だが「死んでいた枠が生き返る瞬間」を全社横断で追う主体が存在しない=本当に見えていない場所。事業部の壁で横串が効かない。
何をするAIか
各未展開の組み合わせを「生きている/権利で死/余力で死/意図的に保留」の4つに分類して台帳化。権利切れ・隣接事業でのヒット・続編や周年などの合図をAIが監視し、生き返った瞬間に再検討を自動で起こす。分析の中身は市販を買い、内製しない。
なぜ今
多事業を一社で持つからこそ、ある事業の権利満了が別事業の好機になる。この組み合わせの行列は自社にしか存在せず、監視の技術と外部の人気データは市販で揃う。
ユニークな点
人気データ分析(Parrot Analytics)やファンデータ活用(バンダイナムコ)は既存。無いのは「生き死にの分類 × 状態が変わる瞬間の監視 × 決裁会議への直結」の統治ループ。
自社にFITする理由
このマス目の行列は複数事業を一社で持つ企業にしか存在しない。権利の期日は各事業会社の法務台帳にしかない。決裁会議に載せて上へ引き上げられるのは、横串権限を持つ本社経営企画だけ。ただし着手は条件付き(役員の固定議題化の文書確約4点)。
世界初はどこか(誇張しない)
静止した空白の監査でなく、"状態が変わる瞬間"を見張って決裁会議に直結する形は公開事例が見当たらない。人気データや個別のファン活用は既にあるが、この統治ループは誰も置いていない。
4分類で台帳化 作品×事業 生き返りの合図 を監視 死んでた枠が 生き返る 状態変化を検知 固定議題に自動掲載 決裁会議へ 検討開始 か 理由付きの見送り
分類から、合図の監視、生き返りの検知、会議への自動掲載まで。判断するのは人、見張るのがAI。
ここから下は、実際のイメージ 上の要件を資料にするとこうなる、というレポート形。
見張るのは空白ではない。死んでいた枠が、生き返る瞬間だけ。

自社は、ひとつの作品やキャラクター(作品・キャラクターなどの権利。以後「作品の権利」)を、ゲーム・映画・音楽・アニメ・エレクトロニクス・体験施設・金融など複数の事業で展開している。どの作品をどの事業で出しているか・出していないかの一覧を作れるのは、これらを一社でまとめて持つ自社だけ。

ただし、作品の権利と事業の組み合わせは、その大半が「よその会社に権利が押さえられている」「作る余力がない」といった、分かっている理由で手つかず(=死んでいる)。だから空白を並べて見せるだけでは、何も動かない。誰かが見送りを決めた枠を、もう一度並べ直すだけになる。

この取り組みが見張るのは、静止した空白ではなく、死んでいた枠が生き返る瞬間——権利の期限切れや返還、となりの事業での同じ作品の当たり、続編や周年といった公開の合図。生き返ったと分かったその瞬間に、その枠を決裁会議の議題へ自動で載せる。

合図
「生き返る」とは、こういう瞬間
下の4つが、死んでいた枠が生き返る合図。どれかが起きたときだけ、その枠を議題に押し上げる。ふだんは静かにしていて、状態が変わった一点でだけ声を上げる。
合図 01
権利が空く
よそが押さえていた権利が期限切れ・返還になり、自社が動ける状態に戻った。
合図 02
となりで当たった
同じ作品が別の事業で急に売れた。他の事業でも展開できる後押しになる。
合図 03
公開の合図が出た
続編・新作・周年など、注目が集まるタイミングが公になった。
合図 04
余力が空いた
作る側の手が空き、これまで「余力がない」で見送っていた枠が動かせる。
経緯
なぜ一度落選し、どう復活したか
この案は、隠さず言えば一度落ちている。落ちた理由と、それをどう乗り越えて条件付きで戻ってきたかを、そのまま書く。
元の案(落選)
手つかずの空白を、常に監査する
まだ手をつけていない組み合わせを全部並べ、いつも見張る、という案だった。だが「空白の大半は既に分かっている理由で死んでいる。それを気づかせる装置は、本当の制約に当たっていない(=意味がない)」と反証され、落選した。並べても、誰も動けない枠が並ぶだけだった。
直した案(条件付き復活)
静止した空白でなく、状態が変わる瞬間を見張る
見張る対象を「静止した空白」から「状態が変わる瞬間」に切り替えた。すると初めて、今まで誰も事業をまたいで追っていなかった、本当に見えていない場所を突く形になった。この一点の切り替えで、条件付きで復活した。
筋道
効果が出る筋道(3本、仕組みに内蔵)
効くかどうかを願うのではなく、効く形を仕組みに埋め込む。下の3本は運用でなく、仕組みとして最初から組み込む。
条件
着手の条件(1つでも欠けたら着手しない)
下の条件が1つでも欠けたら、着手しない。一覧帳だけ先に作る中間案も認めない。台帳が動く先の約束がないまま作れば、ただの見えないファイルが1つ増えるだけになる。
最重要 ・ これが無ければ始めない
戦略担当役員が、開始前に書面で約束する。四半期のポートフォリオ会議の固定議題に「生き返った枠 上位N件」を規程として組み込む。期限を過ぎたら役員名で上へ引き上げる。「結果を見て決める」は不成立——後ろ盾を先に取る。
会議体オーナーの合意:既存の作品戦略の会議体オーナーが、この一覧帳を定例の入力として受け取ることに合意する。
2事業部の事前提出:試験対象の2事業部が、始める前に「今の検討中リスト」を提出する。後から付け替えて成果を水増しできないようにする。
法務が初日から入る:法務が初日から参加し、権利データの受け渡し合意の交渉役になる。
禁止:機会損失の金額の断定は出さない。求められても出さない。金額の投資対効果を要求する後ろ盾しか付かないなら、着手しない。
他とちがう点
なぜ自社にしかできないか(3層)
この取り組みは、道具を買えば真似できるものではない。3層とも、自社の中にしか材料がない。
01
マス目そのものが自社にしかない
作品 × 事業のマス目の行列は、複数の事業を一社でまとめて持つ企業にしか存在しない。行と列がそろっていること自体が、他とちがう点になる。
02
生き返りの合図が、外から見えない
権利の期限という生き返りの合図は、各事業会社の法務・権利の一覧帳にしかない。過去の判断の文脈も、自社の会議記録にしかない。外部の人気データ会社には見えない。
03
議題に載せ、上へ引き上げられる
手つかずの枠を決裁会議の固定議題に載せ、上へ引き上げられるのは、事業をまたいだ権限を持つ本社経営企画だけ。これは技術でなく社内の決め方なので、外に漏れず、真似もされない。
進め方
90日の進め方(機密ゼロ・義務ゼロ・公開情報のみ)
着手前に条件4点を書面で取る。以後の90日は、公開情報だけで動かす。機密データの受け渡しも、事業部への義務づけも、この段階では一切求めない。
着手前
00
条件を書面で取る
戦略担当役員の書面約束・会議体オーナーの合意・2事業部の検討中リスト・法務の参加。この4点をそろえてから始める。
1〜30日
01
展開マップを作る
主要な作品20本 × 6事業の展開マップを、公開情報だけで作る。過去10年の、事業をまたいだ展開10件を事例集にまとめる。
31〜60日
02
4つに仕分ける
全マスを「生きている/権利で死/余力で死/意図的に保留」の4つに仕分ける。公開情報で判定できない枠は「不明・次段階送り」と明示する。生き返りの合図の見張りリストを作る。
61〜90日
03
定例に初納品する
既存の会議体に定例の入力を初納品。協力2事業部に「成功の再現を他作品にも」の形で提案し、実質回答率・純増の検討開始を初回計測する。
進む/やめるの判定:会議体が次の四半期も続けると決める・純増の検討開始が1件以上・下ごしらえで調べ物の時間が実測で減る——この3つ中2つが未達なら、次段階に進まず撤収する。
見るものさし
効いているかの測り方
高い数字を作りにいくのではなく、この取り組みの核心が動いているかを測る。核心は「生き返りの合図をつかんでから、議題に載るまでの日数」。
合図をつかんでから
議題に載るまでの日数
短くこの取り組みの核心
死んでいた枠が生き返ってから、決裁会議の議題に載るまで。ここが速くならなければ、台帳は動いていない。
根拠つきの
実質回答率
7割以上
形だけの回答は数えない。根拠を添えて答えた分だけを、実質回答として数える。
純増の
検討開始
2件半期・以上
照会の前には無かった案件だけを数える。既にあった案件を後から数えて水増ししない。
90日で語れることは限られる。90日で語れるのは「日数・調べ物の時間・実質回答率の初回値」だけ。検討開始や決裁到達は、半年〜1年かけて出る指標だと最初に断る。90日の数字で成果を水増ししない。
残るリスク
それでも残るリスク(隠さない)
この取り組みには、消せないリスクがある。都合の悪い順に、隠さず並べる。
上へ引き上げが発動しないと、形だけの回答が定着する:上へ引き上げが実際に発動しない期が続くと、事業部は形だけの回答を返すようになり、それが定着する。
権利データが取れないと、判定の精度が頭打ちになる:次段階の権利データの受け渡しが取れないと、判定が公開情報の精度で頭打ちになる。「生きている」の誤判定が、事業部の信頼を削る。
後ろ盾の役員が代わると、一気に止まる:後ろ盾の役員が交代すると、納品先そのものを失い、取り組みが一気に止まる。
収益貢献は3〜5年後で、帰属も難しい:収益への貢献は3〜5年後で、しかも帰属を切り分けにくい。だから主張は「事業をまたいだ案件の組成率」と「判断を文書に残した率」までにとどめ、収益額は言わない。
ことわり
この提言の位置づけ

似た取り組みは外にもある。外部の人気データを起点に作品戦略を分析する市販の例parrotanalytics.com/solutions)や、ファンのデータを事業をまたいで活用する国内の実例primenumber.com の事例)がある。だがこれらは「人気データそのもの」や「1事業の中でのデータ活用」であって、生き返りの見張り × 決裁会議への直結という形は見当たらない。人気データも個別の活用も既にあるが、それを事業をまたいだ生き返りの合図として捕まえ、決裁会議の固定議題に自動で載せる形は、まだ誰もやっていない。

内容は提言の要約であり、金額や成果は断定しない。機会損失も収益貢献も、求められても金額では出さない。社名は伏せて「自社」と記載する。この取り組みが立ち上がるのは、作品 × 事業のマス目・自社の権利の一覧帳・過去の会議記録という、自社だけの持ち物があってこそ。